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取組の方向2 道徳科を核とする道徳教育の充実
 道徳教育は、学校教育全体を通じて行うものとして、戦後一貫して進められてきた。昭和 33 年の学習指導要領改訂において、小学校及び中学校における各学年週 1 時間の「道徳の時間」が 設置され、各教科等における道徳教育を補充、深化、統合するものとして位置付けられた。
   平成 20 年に改訂された学習指導要領においては、「学校における道徳教育は、道徳の時間を 要として学校の教育活動全体を通じて行うもの」と明記された。
〇    このことを踏まえ、学校やそれを支える教育委員会の努力により、道徳教育の取組が大きく改 善され、生徒の規範意識等に改善の状況が見られる一方で、次のような課題が指摘された。(道 徳教育の充実に関する懇談会 H25.12.26)
  ・いまだに、道徳教育そのものを忌避しがちな風潮がある。
  ・道徳教育の目指す理念が関係者に共有されていない。
  ・教員の指導力が十分ではなく、子供たちに十分な学びがなされていない。
  ・他教科に比べて軽んじられ、他の教科等に振り替えられているのではないか。
  ・指導方法が、単に読み物の登場人物の心情を理解させるだけになっている。
   これらの道徳教育に関する課題とともに、大きな社会問題となっているいじめ防止の観点や社 会状況の変化を踏まえ、道徳教育の充実に関する懇談会において、指導内容、指導方法、教育課 程上の位置付け等も含めた道徳教育の抜本的な改善の方向性が提言として示された。
〇     中央教育審議会は、文部科学大臣からの諮問を受け、上記の提言も踏まえつつ、平成 26 年 10 月に道徳の時間を「特別の教科 道徳」として教育課程に教科として位置付ける「道徳に係 る教育課程の改善等について(答申)」を取りまとめた。
   この答申を踏まえ、中学校においては、新学習指導要領の全面実施に先行して、平成 31 年4 月から「特別の教科 道徳」が実施されることとなった。
〇     「特別の教科 道徳」の実施の前年に公表された「平成 30 年度公立小・中学校における教育 課程の編成・実施状況調査」では、各学校が、道徳教育の充実に関して、様々な課題や困難を感 じていることが明らかになった。
取組の必要性 
〇   変化が激しく、予測困難と言われるこれからの時代にあって、子供たちが、たくましく生きて いくためには、様々な課題に向き合って、自分自身で考え、他者と協働しながら、よりよい解決 策を生み出していく力が求められる。
〇     また、子供たちが、自分自身の人生を豊かなものにし、よりよい社会を創造していくためには、 子供たちに人間の根本的な在り方に関する理解を深めさせながら、社会性や規範意識、善悪を 判断する力、思いやりや弱者へのいたわりなどの豊かな心を育んでいく必要がある。
   そのため、「道徳科」を学校における道徳教育の核として位置付け、道徳教育の目標を実現す るために、ローテーションによる道徳授業など教員の指導力向上や指導方法の改善等に努めなく てはならない。
〇     また、道徳教育の目標を実現するためには、家庭との連携は必要不可欠であり、社会全体が道 徳教育に関心をもつとともに、大人が人間としての在り方を範として示していくことが求められ る。
提言2 道徳教育 
〇     多様な人々と互いを尊重し合いながら協働するとともに、社会を形作っていく上で共通に求め られるルールやマナーを学び、規範意識を育む。
   人としてよりよく生きる上で大切なものは何か、自分はどのように生きるべきかなどについて 考えを深め、自らの生き方について考える力を育む。  
    ・「考え、議論する道徳」に向けた授業改善と評価の充実
  ・外部人材の協力や支援を得るなど授業を豊かにするための取組
  ・道徳教育推進教師を核とした機能的な協力体制の確立
  ・全ての教育活動との関連を図った道徳教育の推進
  ・道徳教育の充実に向けた学校、家庭、地域社会ぐるみの取組
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