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取組の方向4 社会を生き抜く力と豊かなここを心を育てる体験活動の充実
現状と課題 
かつては、子供たちは、日常的に自然体験や社会体験を通して、心や体を鍛え、成長してきた。 しかし、都市化、少子化、ICT の発展・普及、地域とのつながりの希薄化などの社会の変化に伴い、 体験の場や「本物」に触れる機会が減少してきている。国立青少年教育振興機構が行った青少年 の体験活動等に関する意識調査(平成 31 年2月公表)によれば、自然体験に関して「何度もある」 「少しある」を含めると多くの項目において5割を超えるが、学校における体験を除くと、「しな かった」の割合が大幅に増加する。また、家庭における体験活動の有無は、保護者の経済力や保 護者自身の経験の多寡に左右されることから「体験格差」が生じているとの指摘がある。併せて、 地域などの社会とのつながりの希薄化により子供たちが大人と関わる機会が減り、子供たちの人 間関係形成・社会形成能力が低下してきているとの指摘もある。
   子供たちのキャリア形成を図る上で、重要な役割を果たしている職場体験活動は、国立教育政 策研究所の調査によれば、98.6%(平成 29 年度)の公立中学校で実施されている。一方で、職 場体験活動を行うこと自体がキャリア教育であると捉えられ、子供たちの勤労観や職業観の育成 に結び付いていない、子供たちが自分自身や社会についての様々な気付きや発見につながってい ないなどの指摘もある
取組の必要性 
〇   直接、自然や人、社会等と関わり、実際の体験を通じて感じ学ぶ学習活動は、人間的な成長に 不可欠であり、豊かな体験活動(生活・文化体験、自然体験、社会体験)が、「社会を生き抜く力」 の基礎的な能力を育成することから、体験活動の充実が求められる。
〇  ◯  生活・文化体験や社会体験は、コミュニケーション能力、自立心、主体性、協調性、チャレン ジ精神、責任感、創造力、変化に対応する力や協働する能力を育成する機会となる。また、自然 体験は、命の尊さを学ぶ機会となる。多くの公立中学校で実施されている職場体験活動は、生徒 自身や社会について多様な気付きや発見を経験させることにより、社会的・職業的自立に必要と される人間関係形成・社会形成能力の育成につながる。このような体験活動のねらいを踏まえた 実践が求められる。
◯  いじめ防止の観点からも、命を大切にする心、社会性や規範意識、思いやりなどの豊かな人間 性を育む上で体験活動は欠かせない。そのため、学校をはじめ、家庭、地域を含め、社会全体が 豊かな体験活動を推進していく必要がある。
提言4 体験活動
〇     文化・生活体験、自然の素晴らしさや命の大切さを学ぶ自然体験、職場体験やボランティア活 動等の社会体験を通して、豊かな心や人間性を育むとともに、感性を高め、人生や社会の在り方 を創造的に考えることができる資質・能力を身に付けさせる。
    ・生命の有限性や自然の大切さ、他者と協働することの重要性を実感できる体験活動の
    充実    
  ・望ましい勤労観・職業観を育成するための職場体験活動の充実    
  ・我が国及び郷土に対し、愛着と誇りをもつことのできる文化・生活等の体験活動の充実  
  ・グローバル化の中で多様性を尊重し、互いのよさを生かそうとする態度を育てる体験
    活動 の充実    
  ・達成感や自己有用感が実感できる体験活動の充実
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