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取組の方向5 多用な視点からのスポーツ教育の推進と感性や想像力、創造性を育成する芸術教育の推進 
現状と課題 
   スポーツは、世界の人々が共同して発展させてきた世界共通の文化の一つであり、人格の形成、 体力の向上、健康長寿の礎でもある。学校においては、健康や体力の基礎を培うとともに、公正 さや規律を尊ぶ態度を養うなど、人間形成に大きな役割を果たしている。また、運動することが 好きな生徒は自己肯定感や挑戦する気持ちが高い傾向にある。しかし、積極的にスポーツをする 生徒とそうでない生徒の二極化が進み、特に、女子においては、週 3 回以上スポーツや運動をし ている生徒の割合は約 5 割しかいない。
   これまでの取組を通して、体力・運動能力の低下傾向に歯止めはかかったが、基礎的運動能力 は、近年で最も高かった昭和 60 年頃の水準と比較すると依然、低い状況にある。
〇     運動部活動の所属率は、横ばいで推移しているが、少子化に伴い所属生徒数は減少し、特にチー ムスポーツでは活動に支障が生じている。また、学校体育や部活動において、毎年、重大事故 が報告されており、安全面での更なる配慮、工夫・改善が必要である。
   古今東西の文化芸術との出会いは、子供たちの感性を育むとともに、我が国の文化の理解を促 進し、継承しようとする態度を育む。また、異文化理解を通して、多様な価値を受け入れ、他者 と協働できる力を育むなど文化芸術体験については、多くのことが期待されている。
〇     しかし、文化芸術に親しむ機会は、家庭環境に左右されているとの指摘のとおり、家庭におい て、文化芸術を直接鑑賞したり、文化芸術に関わる活動をしたりしている子供たちの割合は、極 めて低い。このことから、学校における芸術教育を通して、子供たちが文化芸術について学んだ り触れたりすることが期待されている。
取組の必要性  
〇     体力の向上のみならず、人格の形成においてスポーツが生徒に果たす役割の重要性を踏まえ、 生徒が積極的にスポーツに取り組む態度の育成が必要である。また、積極的にスポーツをする生 徒とそうでない生徒の二極化が進んでいることを踏まえ、運動習慣が身に付いていない生徒に対 する、学校だけではなく、家庭、地域社会による支援の充実が必要である。併せて、多様な視点 (「する」「見る」「支える」「知る」)からのスポーツ教育の推進が必要である。
〇     運動習慣が身に付いていない生徒に運動をする機会や場を提供するため、生徒の多様なニーズ に応える運動部活動の充実を促進する必要がある。また、障害のある生徒も体を動かす喜びを味 わうことができるように、生徒の実態に応じた配慮をしつつ、体育に関する活動を促進する必要 がある。
   これまで、生徒の体力向上、競技力向上、健全育成等において大きな役割を果たしてきた運動 部活動について、学校における働き方改革の動向を踏まえるとともに、住んでいる地域によらず、 全ての生徒に運動やスポーツをする機会や場を保障するため、持続可能な運動部活動の在り方に 30 ついて、引き続き、検討・実践していく必要がある。
     変化が激しく、予測困難な時代にあっては、子供たち一人一人が豊かな感性を働かせ、よりよ い社会や人生の在り方を考えることが必要である。このことを実現するためには、豊かな感性を 働かせて新たな価値を創造することが求められる。そのため、あらゆる創造の源泉となる豊かな 感性や想像力等を育む芸術教育の充実が必要である。
提言5 スポーツ教育・芸術教育
 〇    運動習慣の確立を図り、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実 現するための資質・能力を身に付けさせる。
〇     スポーツを通じて、他者との関わりを学んだり、一つの目標を立てて、それに挑戦し、やり遂 げることの意義を実感したりするとともに、ボランティア活動等を通じて、他者への共感や思い やりを育む。
 〇    文化芸術教育を通じて、感性や想像力、創造性を育成するとともに、我が国の文化と伝統につ いて理解を深めさせる。   
 
 ・ガイドラインに基づく部活動の推進と望ましいスポーツ環境、文化的環境の提供   
 ・「する」「見る」「支える」「知る」を具現化するための授業改善の推進    
 ・部活動の意義を踏まえた持続可能な部活動の推進    
 ・学校と地域が連携・協働した形での地域におけるスポーツ環境、文化的環境の整備     ・豊かな感性や想像力、創造性を育成する教育の推進    
 ・我が国の文化と伝統を理解し、継承しようとする態度を育成する教育の推進
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