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取組の方向7 学校と社会の相互連携・協働を促進し、「生きる力」を身に付けさせるために教育課程の編成
現状と課題 
   現在、少子高齢化が急速に進み、将来推計人口によれば、2030 年には、65 歳以上が総人口 の 31% を超え、このことに伴い生産年齢人口は、総人口の 57.7%にまで減少し、地域経済の停 滞や地域力の低下が懸念されている。また、個人の利益を大切にする傾向が見られ、互助・共助 の意識の低下に伴う地域社会におけるつながりや支え合いが希薄化し、学校を取り巻く環境も「地 域の学校」「地域で育てる学校」という考え方が次第に失われてきた。
   家庭において、子育てについて不安を抱える保護者が増加傾向にあるが、地域社会のつながり の希薄化や家族形態の変容により、そうした不安を抱える保護者が孤立する状況にあり、虐待等 の深刻なケースに至る状況も見られる。
〇     学校においては、いじめや暴力等の問題行動の発生、不登校生徒の増加などが見られ、その要 因は多様化、複雑化している。また、特別支援学級に在籍する生徒をはじめ、通常の学級におい ても特別な支援を必要とする生徒の増加、日本語指導が必要な外国人生徒の増加など多様な生徒 への支援が必要とされており、学校だけでは対応できない状況にある。
   グローバル化による価値観の多様化や情報通信技術の急速な進展、少子高齢化による地域社会 の変容は、新たな課題を生み出した。学校においては、これからの社会を生き抜くために、これ らの※現代的な諸課題に対応するための力を「生きる力」として子供たちに育成することが期待 されているが、これも学校だけで対応することは極めて困難である。
取組の必要性  
〇     教育は、地域社会を動かす原動力であり、学校は、教育の実施主体の一つであるとともに、地 域社会のつながりが希薄化している現代においては、地域コミュニティーの核としての重要な役 割を担っている。
 〇    この役割を果たし、子供たちにこれからの社会を生き抜くための「生きる力」を確実に育むた めには、未来社会の担い手となる子供たちに必要な資質・能力について学校と社会が共通理解を 図り、共有する必要がある。
 〇    子供たちの学びが、子供たちのよりよい人生と明るい未来につながるとともに、よりよい社会の 創造へとつながるためには、学校教育の中核となる教育課程も社会とのつながりを意識する必要が ある。併せて、子供たちを取り巻く学校だけでは解決できない教育課題を家庭、地域を含めた社会 総がかりで解決していくために、学校は知・徳・体をバランスよく育むという教育の不易を堅持し つつ、社会の変化を柔軟に受け止めていく「社会に開かれた教育課程」を編成しなくてはならない。
〇     「社会に開かれた教育課程」に基づき、学習指導要領の理念を具現化し、実現するためには、 地域の人的・物的資源を活用したり、社会教育との連携を図ったりするなど、その目指すところ を社会と共有・連携しながら教育活動を実施する必要がある。また、カリキュラムマネジメント を構築し、より質の高い教育を提供するための不断の努力が求められる。
提言7 社会に開かれた教育課程
 〇    社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育がよりよい社会を創るという目標を もち、教育課程を介して、その目標を社会と共有する。
〇     社会や世界に向き合い、関わり合い、生徒が自らの人生を切り拓いていくために求められる資 質・能力とは何かを教育課程において明確化し、総合的に育む。
 〇    学校教育を学校内に閉じず、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現する。    

・教科横断的な視点に立った教育課程の編成と各学校における創意工夫    
・学校教育の改善・充実の好循環を生み出すカリキュラム・マネジメントの実現    
・カリキュラム・マネジメントによる学びの質の向上と学校の特色の創造    
・学んだことをよりよい社会の実現のために積極的に活用しようとする態度の育成
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